五味の由来

2006/5/1

味を表す言葉に五味と言うのがある。

一寸前までは、甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩辛いの五種の味をさしていた。今は、辛いは刺激であって味ではないということで除外された。それと、同時期にグルタミン酸ソーダに代表される旨みが追加され、五味と言う言葉は未だに生存し続けている。

中国食物史の大家でもある元御茶ノ水大学の教授の中山時子さんを中心に、味の素で中村章八先生(中村行明さんのお父上)の五行大全から食べ物に関する部分の抜き読み講読したときに教えられたのも、懐かしい思い出である。

しかしインドの専門家としては、館長は五味のいわれを念のためここで繰り返しておきたい。

お経に曰く、『牛乳を精製する過程に五段階がある。すなわち、「乳(にゅう)」、「酪(らく)」、「生酥(しようそ)」、「熟酥(じゅくそ)」の四段階を経て最後の最高の精製品の「醍醐(だいご)」となる。このそれぞれの段階の製品に味をつけて、乳味、酪味、生酥味、熟酥味、醍醐味で五味と言う。』

五味と言う苗字は珍しくないが、味の要素を並び挙げたものではなく、牛乳の精製過程の味を表したもので、インドに関係ある苗字であることを指摘しておきたい。だが、こんなえらそうな書き方をする資格は館長には全くない。この辺の知識は、手塚治虫の最高傑作の一つ「火の鳥」(日本人が描いた輪廻転生の最高傑作、三島由紀夫の「豊饒の海」 以上である。)の中から学んだものであるからである。マンガで覚えたんです、要は。

で、醍醐は何なんだろうと言う事になるわけですが、それが解っていないらしい。

館長の国分寺の家でのことであるが、ブルガリアヨーグルトの2年もの事件があった。あるとき、ブルガリアチーズの6ヶ月ものが、冷蔵庫から発見されたというニュースがあり(女房は必ず購買日をマジックで書き入れる習慣があり、紛れもなく6ヶ月ものであった)、どれどれと身を乗り出して、匂いをかいだ。変なにおいは全くなく、早速一匙、これが旨かった。

それから数日後、ついに問題の2年物が冷蔵庫から発見された。女房の止めるのもかまわず、賞味すると、えもいわれぬ円やかな芳醇な味でその芳香にうっとりである。最高のクリームチーズとはこれのことかと頷いた。館長はひょっとするとこれが醍醐かもしれないとそのとき思った。

インドで乳製品のスイートを食べると、これかな、これかなと思うものがある。その一つがコルコタ産のラブリーと言う牛乳湯葉のシロップ漬け様の不定形のスイート、その二が 写真のラスマライといわれる北インドのスイートである。

不徳の館長は、未だに醍醐味には到達していない様である。

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