ニーム

2006/7/27

ニームの和名はインド栴檀である。栴檀は双葉より芳しの栴檀であると言いたいのだが、諺の栴檀は、インドでも芳香を放つ木として名を馳せている白檀のことだと言うからややこしい。どうも、実物を視認しないで文献で物を考え判断する文化人のせいであろう。百聞は一見にしかずと言うのに・・

インドではニーム、ビーバル(インド菩提樹)、バニヤンの三大せい聖樹としてあがめられています。この三種の聖樹葉何れも樹高20メートルを超える大木に育つ木で、その気の根元には、壇を設けて、人々が集い、祠を儲けて神々を祭ったりします。

ニームの豊かな茂みを通ってきた風は、頭痛を治すと信じられている。近代になりニームの、葉、皮、実、樹液等の成分を分析したところ医療用として、各種有効成分が含まれていることが分かり、古来行われてきたアユールベーダの医学が再認識されている。特にアメリカでは各種のヒーリング商品がニームを原料として開発されている。

日本では、ニームオイルがアブラムシ退治に使われる程度で、いまだ本格的に紹介されていないようである。

ニームの小枝を20センチ程度に切り、それを噛みながら歯を磨く習慣がインドにはあるが、それは歯磨きと樹液の服用との一石二鳥の習慣であったわけである。奈良の東大寺二月堂修二会、お水取りの際に、易の算木のようなものに歯形を付けるような所作があり、その意味を尋ねてインドまで出向いた高野山大学の僧職の教授が、カルカッタ(今のコルコタ)の朝の町で、人々がニームの小枝で歯を磨いているのを見つけて、小膝を叩いて、お経を上げる前に口を清める儀式をやることを意味していたのかと喝破した。釈迦の時代からの習慣が奈良の二月堂まで引継がれた縁の不思議を感じる。

一時期日本でもニームの薬効が言われ、新葉をダンボールで持ち帰る御仁がいた。曰くニーム茶として服用するとのことであった。苦い煎じ薬である。

ニューデリーでは、市内の並木にニームが使われているところが多くあり、パーリアメント通り等が見事である。

京都の御所の通用門の前に、ニームの木が5本植えられているが、誰が何時どういう経緯で植えたのであろうか、館長は首をかしげた。
ニームの街路樹のトンネルです。インドには1380万本のニームが育っているそうです。誰がどうやって数えたのでしょうかね?
ニームの新芽紅葉です。
美味しそうでも家畜に食べられないのは、葉が苦いせいでしょうか。イナゴの大群が飛び去った後に青々としていたのがニームの木でそれを見つけたドイツ人の昆虫学者がニーム成分の近代的な分析を始めたとか。

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