ビノードの村へ ]U

2009/7/12

就寝

屋上に上がりベッドに横になり空を見上げると、雲が白っぽく見える。今まで、日本の田舎や南の国に冒険旅行に行った人たちの夜の闇の表現に、自分の手の先も見えないくらいの真の闇と言うようなものがあったが、どうも納得がいかない。洞窟の中ならいざ知らず、闇夜の外は月明かり星明かりがあり真の闇は新月でもなければあり得ない。ポツポツ雨は降っていてもその雲の上には、月があり、雲は白っぽく認識できるし、自分の手先はきちっと見えるものである。月齢11.5である。

知らないうちに寝込んでしまったようである。何か周りがざわつくようで、薄目を開けると、親父さんとビノードが一人用の蚊帳をつって呉れていた。安心してまた寝付く。

前立腺に問題を抱えている館長は、また眼を覚ました。蚊帳をそっと抜け出し、さっきのトイレに行く。犬を心配したが、戸口を出てもいない、彼らもどこかで寝ているようである。安心してすっきりして屋上のベッドに戻る。懐中電灯なしでも十分足元は確認できる闇である。ベッドから空を見上げると、月は雲の上に確認できるほど雲が薄くなっている。ポツポツ雨の止んだ様である。親父さんを除く男衆は屋上で自家製と思われる薄い木綿のキルティングを敷いて寝ている。

館長は考える・・
この地球上で殺し合いを本気でやっている人間がいる。かと思えば、今ここでこの居心地の良さは何なのだろうか考えてしまう。この瞬間のここには、平安と、寛ぎと、人の絆と、幸せと、日常と、それなりの豊かさと、人情と、愛と、生活がある。とにかく変な外人が来ても生活のペースを変えず、いつも通りの生活をしている平和な場が存在する。うす明りの中、四方を見ると、地平線である。その地平線の中にそれなりの村が点在し、現在平和であることが不思議に実感できたような気がする。来てみて良かったと感じた瞬間である。糖尿病も、前立腺も、狭心症もすっ飛んだ時空体験であった・・
 
館長に用意された蚊帳である。
薄いキルティングに寝る兄弟たち・・
隣りの家は中庭で寝ている・・
翌日起きて見ると、蚊帳に紙切虫がへばりついていた・・蚊以外にも、多少の意味はあったようである・・感謝!

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