JBIC渡辺博史代表取締役副総裁を迎えて

2009/6/22

2009年6月22日(月)、ニムラナN-SEC(Neemurana-Shared Energy Center)は、
 
 渡辺 博史 代表取締役副総裁、国際協力銀行経営責任者
( 国際協力銀行
 株式会社日本政策金融公庫 
〒100−8144東京都千代田区大手町1−4−1
03-5218-3000, Fax 03-5218-3950)       を迎え、下記スケジュールにて、ミーティングを行った。

「JBIC(国際協力銀行)渡辺CEO御一行 ニムラナ訪問スケジュール
                              09年6月18日 今村
 日時・場所:6月22日(月)11:00〜13:00 日信ブレーキ会議室
 訪問者:JBIC 経営責任者(CEO)渡辺 博史
    国際経営企画部秘書グループ参事役 大矢 伸
    アジア大洋州ファイナンス部調査役 鈴木 竜太
    ニューデリー事務所 主席駐在員 栗原 博
    同上        駐在員   宮本 博道      5名
 目的:@ニムラナ共同発電事業への取り組み状況把握
   Aニムラナ工業団地視察
   B進出企業との懇談等

 スケジュール
 10:30 N−SECメンバー集合
 11:00 JBIC殿 日信ブレーキ到着
 11:05 双方メンバー紹介
 11:15 N−SEC歓迎挨拶及び日信ブレーキ会社概要紹介(飯嶋社長)
 11:30 N−SEC活動紹介
 「ニムラナ共同エネルギーセンタ事業化への取り組み」(日立今村)
 11:45 工場見学
 12:10 昼食及び参加者懇談会(昼食はJIBIC提供の弁当)
 12:50 写真撮影及び記念品贈呈
 13:00 ニムラナ見学
 13 :30 ラップアップミーティング
13 :50 出発


 参加者リスト
      会社名    役職     氏 名          N−SEC担当
1.  日信ブレーキ  社長    飯嶋 陽一 委員長
2.  三井プライム  社長    木原 敏秀 副委員長
3.  三井プライム        清 好延  アドバイザー
4.  ダイキン    GM    中林 博幸 副委員長 
5.  三井化学    社長    柴田 真吾 事務局長
6.  マイテックス  社長    矢島 敦  委員
7.  大日カラー   社長    時宗 孝好 委員
8.  ミクニ     社長    金田 光司 委員
9.  今仙      社長    真下 英敏  委員
10.  TPR     社長    岡本 道生 委員
11.  住友商事    SGM   土井 久幸 事業計画
12.  日立    アジア総代表付 今村 陽一         副委員長
13.  日立      DGM    アショック・アシュタ 事務局
14.  日立      技師    山野 修平 設備計画 」
 
館長所感:

NーSEC構想のチャーミングポイント
1.DMIC構想の一翼を担っている
2.インド政府のエネルギー政策に合致している
3.PPP構想にまさに的中
4.利用者のニーズにフィット
5.経済性の確保
6.プロトタイプになりえる
7.ODA最大被援助国の新規軸のモデルケースになり得る
8.日本語で話ができる
9.ODAの受益者が日本企業

まさに一石九鳥のプロジェクトである・・

 

日立今村氏による、N−SECマスタープランの説明およびお願い
本日は、ご多忙な滞在スケジュールにも関わらず、貴重な時間を頂き更にニムラナ工業団地までお越し頂きましたこと
心から御礼申し上げます。

現在、我々は進出企業共通の緊急課題であります電力環境の改善と安価な電力を確保するために共同エネルギーセンタの事業化を検討しております。
そこで、本日は今までの活動経緯と今後の計画及び直面している課題につきましてご報告させて頂きたいと思います。

これは今日お越しのニムラナ工業団地の全形です。黄色のエリアが1992年に開発されたニムラナフェーズ1で現在65社のインド企業が操業しており、橙色が2005年開発のフェーズ2で11社が進出予定です。
そしてこの水色のエリアが日系企業専用のフェーズ3であり、現在15社の日系企業が正式に進出を表明しています。
現在我々がいます日信ブレーキ様はこの@に位置しております。
5月13日時点の各社の建設状況は写真の通りで、三井プライム、豊田合成、今仙、TPR殿も建設は既に完了し操業段階にあり、2010年の初旬にはこの写真の企業全てが操業を行っていることと思います。又特徴としては青字の通り進出企業の80%は自動車関連企業ということであります。
更に今後も新たな企業の進出、建設も行われ将来はインドを代表する先進の工業団地になっていることは間違いないと思います。
しかし一見、順調に行っているように見える工場建設・事業計画もインドの基礎インフラの未整備、特に電力環境の遅れと昨年に発生したリーマン・ショックの影響で予想外の大きな課題に直面しています。

これは昨年10月に調査したニムラナ地区の電力環境です。契約電力が1500KVA以下のユーザーに於いては事前予告無く停電が時々発生し、停電時間も6時間にも及びます。又契約電力5000KVA以下の大口ユーザーに於いても同様に停電が発生しており、各社停電バックアップ用として全容量をカバー出きるディーゼル自家発電装置を設置し対応しています。更に電圧変動も大きく、キャパシターにて安定化を図っています。
当然、日系進出企業の製造環境条件としては全く適さず、結果、商用グリッド電力は5RSと低価格ではありますが全く利用できず、10RSと高価格ではありますが常用ディーゼル自家発電設備で電力を賄うことになってしまいました。更にこれに伴い、貴重な井戸水を冷却水として使用するなど、2重の負担を強いられてしまいました。
これは、進出企業にとっては、全く予想をしていなかったことであります。
そこで、この対策としてディーゼル燃料に対して安価な天然ガスを利用し、冷却水が不要なガスタービン発電機を使用し、又ガスタービンの発電容量がディーゼルに比べて大きいので共同で利用する発電事業が出来ないか検討を行いました。その結果がこれであります。
全体構成は30MWのガスタービン発電機を一基設置し主機として、更に各社が既に保有している総容量約20MWのディーゼル発電機(37台)を連携させ一体とした発電設備を構成します。常時はガスタービン発電機を使用しますが、ユーザー負荷の状況に合わせてディーゼル発電機を組み合わせて起動させ経済的な発電を実現させます。基本計画の結果、発電単価は7.5RS程度になり25%の発電経費低減が期待され、経済性評価によると2000KVAユーザー(日信ブレーキ、マイテックス)では年間40M¥、3000KVAユーザー(三井プライム、ダイキン、TPR)では年間60M¥程の経費節減が期待できることが分かりました。
そこで更に事業可能性を明確化するためには事業体の在り方、インドの法規制の確認、技術的な検討、事業費と資金の確保など一層の検討が必要となりましたが、連絡会への参加者各位は事業立上で多忙なこともあり、有志による事業化検討委員会を設置致しました。
本日出席いたしておりますメンバーが代表者です。
委員長にはニムラナに日系企業第一号として進出され、数々の課題、難問を真っ先に解決し、日系企業の指導役として信頼の厚い日信ブレーキの飯嶋社長が就任され、更にインドビジネスについての多くの知見と経験を有する清様にアドバイザーとなって頂いております。多忙な委員長のサポートとして三井プライムの木原社長、ダイキンの中林様と私が副委員長に就任致しました。
活動の方針及び意思決定を行う委員会メンバーとしては、本日参加しておりますマイテックス(矢島)、大日カラー(時宗)、ミクニ(金田)、今仙(真下)、TPR(岡本)です。本活動取り纏めの事務局としては三井化学の柴田さんを事務局長として、日本担当の三井化学の阿部さん、インド担当の日立アシュタさんを配置しました。アシュタさんは唯一のインド人メンバーですが誰も彼を普段はインド人と意識しないくらいの言語能力と感性の持ち主です。更に事業計画担当の住商の土井さん、設備計画担当で日本からの出張対応している日立の山野さんで構成しております。
この様な体制で今まで活動してきて、我々が望み且つ適した事業体の在り方が明確になってきました。計画当初はガスタービンと既設DEGを組み合わせた設備計画でしたが、経済不況の影響により設備投資が少なく、迅速に対応でき、更に若干でも効果が期待出きる既設ディーゼル発電設備連携による共同発電をフェーズ1とし、その後2012年頃にガスタービン発電を行うフェーズ2に分けることにしました。更に事業形態として電力供給と余剰電力の売買サービスが考えられましたが、現下の状況と将来構想を実現するためにはオプション2が最適と判断しました。これは事業体が各ユーザーの保有するDEGを一括借上げて、ユーザーに電力を供給するものです。従いまして特徴としてユーザーは発電機維持・管理業務から開放されること。又減価償却負担がありますが、その分はDEGの貸し出しにより相殺されるメリットがあります。一方事業体は既設の発電機そのものはユーザー所有であるとことから事業資金の低減が図れ、且つ各種設置申請変更は不要などDEGに関するリスク低減が図れます。従いまして、今後はこの経済性評価が重要であり、目下行っている最中であります。
以上の経緯を整理しますと次の通りとなります。
2008年7月のニムラナ地区連絡会にて、電力環境未整備の問題提起により共同エネルギーセンタ構想を提唱しました。そしてこれを検討するために連絡会の中に検討会議を設置し、進出企業がメリットを定量的に判断が出きるよう基本計画を策定することにしました。
10月、この活動が日印戦略的パートナーシップの日本側のアーリーバードプロジェクトとして、5件の内の一つとして認定され、NEDOのご協力で基本計画策定費用を頂くことが出来ました。その結果がお手元の基本計画書です。これにより経費節減効果がある程度明確になりましたので、活動を更に一歩進めて事業体の在り方、事業計画等について検討すべく事業化検討委員会を2月に設立しました。しかし運悪く、この時期になりリーマン・ショックの影響が各メンバー企業に広がり始め、特に自動車産業への影響が顕著となってきました。順調な成長が期待されて計画された事業計画や生産設備計画も大幅な見直しが必要となり、既存の発電機設備にも余剰感が出始め、低負荷運転のために発電経費が一層上昇してしまいました。
そこで、第二回総会にて、先ず始めはフェーズ1として既に納まっているディーゼル発電設備をユーザー全体で有効に活用して、少しでも経済効果を出すことと同時に今後の事業計画の基礎を築くことに主眼を置き、フェーズ2として電力需要が30MWに近づく時期(2012年)にタイミングを合わせてガスタービン発電設備を設置する計画に変更しました。
この結果を5月8日にインド政府主催のDMICアーリーバードプロジェクト進捗状況会議で報告いたしましたところ、インド政府商工省クリシュナ局長より余剰電力売却認可への協力、ラジャスタン州政府のガング投資促進局長からは余剰電力の高値購入をしていただけるとのコメントを頂くと共に、インドの電力環境改善にはこの様な活動が重要であり、政府方針にも合致しており、是非実現していただきたいとの励ましの言葉も頂きました。
更に幸運なことに6月16日、NEDOより4月に申請していましたニムラナ既設DEG群連携運転に関する「開発支援研究協力事業」の採択を頂くことが出来、各社が保有する37台の異なった容量の発電機を経済的且つ信頼性高く運転制御する最適システム開発により技術課題の対策が行えることになりました。
以上ご説明させて頂きました通り、事業化に向けて一歩一歩着実に近づいています。
この共同エネルギーセンタ事業の実現はニムラナ進出企業にとってライフラインとなることは間違いありませんが、ここで生まれたPPP手法・技術等は日本政府が支援するDMIC全域の既設、新設の工業団地に対する共通施策にもなりえるものと考えます。
工業団地開発に伴う環境破壊の大幅改善、工業団地の高付加価値化の実現、これを日本発のニムラナモデルとし、以って進出企業の国際競争力の向上に役立つことと確信致します。
しかし、現在我々の活動には新たな大きな課題が発生してしまいました。
それは、ニムラナ進出企業の80%は自動車関連企業であり、世界的な自動車不況の影響を受けて生産規模の縮小による収益の低下、本社経営環境の悪化により新規設備投資の全世界的同時凍結、更に低負荷運転によるディーゼル発電単価の上昇という厳しい状況に直面していることです。これを打破し成長国インドでの国際競争力を向上させ、事業を成功させるために進出企業が一体となり、力を合わせ、事業化に取り組んでいます。
今までの活動を通して、共同エネルギーセンタ事業化での課題はほぼ解決してきましたが実現のためには「最適な資金調達方法」がキーポイントとなっております。
つきましては、JBIC殿に格別なるご支援、ご協力を頂きたくお願い申し上げます。

参考資料1は全体の資金の流れを現したものです。共同エネルギーセンタ事業体としましては、フェーズ1として既設DEG連携による発電事業体設立に総事業費10億円、その内訳として資本金3億円、融資7億円が必要と考えています。
この資本金として、ユーザー企業各社が20M¥を出資し合計2億円、RIICOにも1億円を出資して頂き総額3億円としたく思いますがこの場合の進出企業出資に対するバックファイナンスをいただけないものでしょうか。更に事業体への直接又はPFCを通しての7億円融資を頂けないでしょうか。本来この様な小口、多件数の融資はJBIC殿にとっては不適当であることは重々承知しておりますが「ニムラナ特別融資制度」としてご検討いただければ幸いで御座います。
現在日本からの送金は凍結されていますが、事業は着実に進展しており、ここで歩みを止めるわけには参りません。是非インドで活躍する日系企業の開拓者魂と現下の窮状とを鑑みていただきご支援、ご指導頂きたくお願い致します。
本日はこの様に貴重な機会を頂くと共にJBIC殿へのご無理なお願いもお聞き頂き重ねて感謝いたします。大変有難う御座いました。
日信ブレーキ飯島社長の説明








工場見学
記念撮影

BACK HOME