マンモハン・シン首相信任される

2008/7/23

  7月21日にマンモハン・シン首相がインド国会下院(545議席)で行った信任動議については、与野党による激しい応酬が2日間繰り返された後、22日深夜に投票が行われた結果、賛成275票、反対256票(棄権10票)で、与党連合・統一進歩同盟(UPA)とその支持グループが勝利し、シン政権が国会の信任を取り付けることに成功した。

投票に先駆け、野党BJPの3議員による、棄権を条件に買収工作があったと現金を国会に持ち込むという、前代未聞のショウもあり、国会は混乱したが、投票は行われた。

  投票終了後、シン首相は国会議事堂前での記者会見で、投票結果をUPA政権、国民会議派、その他支持政党の勝利と讃えるとともに、「今回の勝利は、インドが国際社会で正当な貢献をする用意があるとのメッセージを世界に発したことを意味する」と静かに語った。

これに対し、アドバニ下院野党議員団長(インド人民党[BJP]所属)は、「UPA政権は数で勝利したに過ぎず、道義的には敗北した」と反論したが、数で敗北したことを鮮明にしたことはインド政局のさらなる混乱を避ける効果があったようである。

これまで過去29年間に10回にわたる信任投票が行われ、マンモハン・シンは信任を勝ち得た7番目の首相となる。

この信任投票により、インドはアメリカとの原子力協定を結ぶことに障害はなくなり、ロシアからの既存の原子力発電所に対する技術援助、フランスからの原子力平和利用に関する技術援助、オーストラリアからの原子力資源供給の実現、中国との濃密な経済関係に基づく友好関係と、世界に類見ない地政学的に安定を勝ち得ることになる。また一歩インドは世界の中心に重量感を持って進出したことになろう。

そういう意味で今回の信任投票は、館長にとって、意味深いものである様な気がしてならない。

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