DNAとラーメンと散歩

2003/3/9

昨年の暮れの23日に、下の弟が心筋梗塞で、町田市民病院に入院した。1月11日にお見舞いに行った。処置が終わって成功すれば、心筋梗塞の患者は元気なものである。またお見舞いに来ると約束した。

丞延は163センチ48キロで体脂肪率は12%である。毎週末にはフルマラソンを走り、週に少なくとも2回はジムに通い、本格トレーニングをやっていた。酒は3兄弟とも嗜まない。いわゆる心筋梗塞をはじめとする成人病にもっとも遠くに位置する状況で、成人病の自己チェックリストでも該当するところは1項目も見当たらなかったという。

真ん中の弟、光延に、状況を連絡すると、彼も姫路から13日に上京見舞いに来るという。13日の朝8時半頃家を出ると、新幹線は1時半ごろ東京駅に着くということであった。その電話で、彼も昨年6月に心筋梗塞を起こし大騒ぎをしたと言うので、吃驚した。
そうであれば、3人三様の体型で同じ病魔に魅入られるとは、まさに今流行のDNAの所為に他ならない。成人病のチェックリストの遺伝の項目一箇所が、丞延の発作のゆえんであったかと合点した。

13日の朝8時半、家を出た。

前の晩ニトロペンを使用したのが多少気になったが、いざと言うときにはそれなりの逃避を考えればよいと考えながら、府中街道を南下し始めた。歩き始めの30分が問題である。30分以内に狭心症の発作を起こさなければ、次の食事までは大体安全であることは、経験的にわかっている。ゴルフの3ホール目までに発作が一番出やすいということであろう。初めの15分は特にゆったりと歩む。なかなかの調子であるとわかったので普段のペースにあげる。

普段のペースは、30分に3500歩、1時間に7000歩で、歩幅約70センチと計算すると1時間に5キロのとなる。

9時10分甲州街道を横切り、「ふうや」と言うラーメン屋の前を通過する。ここのラーメンも1度は試す価値がある。今日の成人式のための着付けをやってる美容院がある。9時30分東名高速の下をくぐる。何の風情もないのが一寸残念である。大体現在の東京の道路は車のために出来ており、歩く人を無視して作られている。9時40分是政橋を渡る。水の少ない冬の多摩川でテントがけで鳥の撮影をする人がいたりする。それから川崎街道に入る。10時過ぎ稲城長沼を経て鶴川街道に入る。このあたりで民家3軒日章旗を掲げていたのが印象的であった。

10時40分京王線をくぐる。途中の交番で道を確認すると、車ですかと聞かれる。いや、歩きですと答えると、呆れ顔で、でも親切に教えてくれた。お気をつけてとの言葉を励みにひたすら歩く。かなり調子が良いようだ。

11時18分京王相模原線、若葉台駅を通過する。結構坂がある。さらに、11時30分小田急多摩線、黒川駅を通過する。ドンド焼きをやってる地区がある。混んでたので餅を貰うのはあきらめた。ひたすら歩く。だらだらと上り坂である。

よく見ると住所の表示が川崎市麻生区となっている森の中を11時40に通過、いよいよ、町田市に入る。真光寺町という住所表示に元気を得、携帯で042−734−6698電話をかけて、「つばさや」が鶴川街道に面しているかどうかを確かめると、親父さんが出て「街道沿いだ」と教えてくれる。何のことはない、5分も歩かないで右手に「つばさや」の看板を発見した。ジャスト12時。チャ−シュウ麺をいただく。牛骨のスープは珍しく、旨かった。国分寺から歩いて食いに来たと親父を驚かす悪趣味をしでかす。

12時20分19号線に入り、団地の前の喫茶店「チャイブ」でお茶にする。コーヒーとチーズケーキ。1時ようやく鎌倉街道に入る。1時半薬師公園で一寸一休み。休日の人出はなか中のものであった。

2時20分町田街道に入る。旅も終わりに近づき心も足も軽くなる。2時45分町田市民病院に到着する。入り口のわかりにくい病院である。町田市に入ってからが長かった。

光延は奥さんの千秋さんと娘の花也ちゃんを連れてきて15分後に到着した。出発時間はほぼ同じで、姫路からも6時間強かかった。

三兄弟とも同じところをやられていた。DNAの強烈さよ。小生はバルーンだけであったが、二人はパイプを埋め込んだようだ。

目標があれば6時間は歩けることが判った。千里の道も一歩からと言うことが実感できた。最初の一歩は軽く踏み出すことが肝心である。大決心は要らない。すっとただ一歩踏み出す勇気が名が歩きのコツのようである。

それ以来、東京の天然温泉をファイナル目的地に、ラーメン屋を通過点に据え、ひたすら歩いている。

2月は結局270キロ歩いた。国分寺の我が家を起点に、八王子(駅前のくつろぎの湯)、武蔵村山(かたくりの湯)、深大寺(ゆかり)、多摩テック(クオ・ガーデン)、小平(テルメ小川)、仙川(ゆけむりの里:温泉ではない、スーパー銭湯)、府中(湯の国ジャンボ:温泉ではない、スーパー銭湯)などへ向かい、ラーメン店のリストを懐にして、歩くのも悪い趣味ではなかろうと思ったりしている。

極楽!極楽!
 

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