インド株式会社の誕生?

2008/8/19

 2008年7月21日マンモハン・シン首相がインド国会下院(545議席)で行った信任動議については、与野党による激しい応酬が2日間繰り返された後、22日深夜に投票が行われた結果、賛成275票、反対256票(棄権10票)で、与党連合・統一進歩同盟(UPA)とその支持グループが勝利し、シン政権が国会の信任を取り付けることに成功した。

 投票終了後、シン首相は国会議事堂前での記者会見で、投票結果をUPA政権、国民会議派、その他支持政党の勝利と讃えるとともに、「今回の勝利は、インドが国際社会で正当な貢献をする用意があるとのメッセージを世界に発したことを意味する」と静かに語った。

 これはインドが国際社会に対し、総理として約束をしたことは成し遂げたことを公知させた点で、インド株式会社が機能したことを意味しているのではなかろうか?

 この宇宙船地球号で最大かつ最強のアメリカとの約束を、インド共産党のお主張する、「アメリカとの核の協調は、アメリカの影響力を受けすぎることになりかねない。」という閣外協力野党の反対を乗り切り、インドの国益と国際社会での約束事を見事に完遂した。

 これに対し、アドバニ下院野党議員団長(インド人民党[BJP]所属)は、「UPA政権は数で勝利したに過ぎず、道義的には敗北した。」と反論したが、数で敗北したことを鮮明にしたことはインド政局のさらなる混乱を避ける効果があったようである。

 このアドバニ団長のコメントに館長はいたく感動した。野党連合のリーダーが「与党が数で勝利した。」と表現したことは、民主主義の原則を確認し、数の上で与党が勝利したことを野党が確認したと明言した。彼のコメントの主眼は後半の「与党は道義的には敗北した。」という部分にあったのであろうが、民主主義の原則を肯定した前半部分に、これ以上の混乱は避けるべしという悲願があるように思える。現在宇宙船地球号の各地で頻発している、選挙の結果に対する不信感が、彼のコメントで一切無くなったのである。

 そういう意味で、インドでのさらなる混乱はこの時期避けるべしという知恵がアドバニのコメントを引き出したと館長は深読みするのであるが、まさに与野党そろってインド株式会社の運営にあったっているように思えるのである。

 で、インド株式会社が誕生しつつあるのではないかと予感するのである。

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