カレーと認知症

2008/8/31

三菱商事にいたときの会にサムライ会というのがある。39年入社の鉄鋼輸出関係者11名の会である。

4月に休暇で館長が日本に2週間滞在したときに、サムライ会は横浜の中華街で昼食会を開いた。その時、慶応出身のO君が、「慶応出身者の会である交詢社の午餐会で(平成20年3月14日)、漢方養生研究所 所長、武蔵野学院大学 客員教授である謝 心範さんが、不老長寿のために一週間に一度カレーを食べることを勧められた。」
と話してくれた。

インドに淫するものとしては、気になる話である。

そんなときに、毎日新聞の記事に出くわした・・

「<ターメリック>カレーに記憶力のもと 認知症治療に効果?

 カレーのスパイス「ターメリック」(ウコン)に含まれる成分から、記憶力を高める化合物を、武蔵野大と米ソーク研究所が合成した。動物実験の段階だが、将来、認知症の治療などに役立つ可能性があるという。米老年医学誌(電子版)に掲載された。

 この成分は「クルクミン」と呼ばれ、生薬としても用いられるショウガ科の多年草「ウコン」の黄色色素。アルツハイマー病の原因とされる異常たんぱく質ベータアミロイドが脳内に蓄積するのを防ぐ作用を持つことが知られている。

 研究チームが調べたところ、クルクミンは神経細胞の損傷を抑えられるが、記憶力向上までの効果は確認できなかった。そこで、クルクミンの化学構造を変えたさまざまな化合物を合成。ラットから記憶の形成にかかわる脳の「海馬」を摘出、薄くスライスして組織が生きた状態が保たれたままにして、これらの化合物を加えた。

 その結果、「CNB―001」と名付けた化合物が、細胞間の情報伝達の効率を高め、その状態を持続させることが分かった。また、この化合物を飲ませたラットは前日に見せた物体を記憶していたのに対し、飲ませなかったラットは覚えていなかった。この化合物が、記憶をつくるスイッチとして働く酵素を活性化していることも判明した。

 武蔵野大の阿部和穂教授(薬理学)は「この化合物は、海馬の働きを直接活発にしている。安全性を確認し、新薬の開発を目指したい」と話す。【下桐実雅子】
(毎日新聞 2008年08月24日00時23分)
http://news.cybozu.net/news/national/2008082451657.html」

かねがね、インドには認知症のお年寄りが少ないとの噂はあったが、「それは、インド人の寿命が短いからさ」というようなチャチャにより、あまり学問的に取り上げられなかったようである。

確かに、20年以上の駐在期間中に、徘徊する年寄りや、ボケ老人の話はあまり聞かなかったような記憶がある。それに比べ日本では、祖母、母親をはじめとする身近に、多くの例証を体験している。統計学的な比較ではないが、インドでは確かにそのような例証には遭遇していない。ゴルフ仲間のインド人には、70代80代などがたくさんいた。みんな足はよぼよぼでも頭はしっかりしていた。

先日130才余といわれるインド人男性が身罷ったが、死ぬまでボケていなかったようである。

それがカレーのせいであったとは・・
インド人の中には、日本人の食生活を羨み、スパイスのきつい、脂肪分の高いカレーを敬遠する人が出始めているが・・

いや待て、日本では「不老長寿の」長寿は確保できたが、不老は未達であると言える。不老こそが人類の理想ではなかろうか。植物人間で寝たきりで、他界するまで5年〜10年過ごすことが、人類の究極の理想の形態ではなかろうに!

館長が感心するのは、対照的にいつも引用される二つの大国、唐天竺、印中の一方の雄である中国が、カレーについての効用を認めていて、しかも日本人に週に一度カレーを食べなさいと進めている事実である。中国人の不老長寿に関するあくなき探求心に頭が下がる。

医薬同源の中国が、インドからいろいろの漢方の原料を輸入していることは知ってはいたが、カレーにそのような効用があったのは、不覚にも知らなかった不明を恥じる。

これからもカレーを務めて摂取することにしよう・・

蛇足であるが、痴呆症を認知症と言い換えて、なんぼのもんか?館長は不満である・・

BACK HOME