5月のデリーとその近郊

5月は象徴的な月である

2006/5/16

この辺りでは、一年で一番気温が高い月であり、45度を超える事もある。住む人にとっては、42度までは何とか誤魔化しながら、生きながらえるし、仕事のやる気も多少は存在するが、43度を超えるともういけません。もちろん、事務所は冷房してあるし、車もエアコンで走らせる。それでも、身体は外気が43度を超えていることを認識して、無理をすることを禁止してくる。各人の身体は、一寸無理をすると、エアコンで風邪を引かせる、熱射病の症状を出してくる、不整脈で心臓がばたつかせる、下痢をさせる等の信号で無理をしない様に注意を喚起してくる。そのときには、食って、寝て、休むしか手が無い。この境目が、40度の人、44度の人と個人差はあるようだが、大体が42度が目途のようである。

この暑い時期に咲き誇る木の花がある。4月から咲き始めるグルモール(鳳凰木)と言うマメ科の真っ赤な花をつける木と、同じマメ科で咲く時期を一寸遅らせる黄色い英をつけるゴールデンシャワー(長い豆の実をサルの杖に見立てたモンキーステッキとも言う)と言う木である。グルモールに注目する人が多いが、ゴールデンシャワーの花の傘の下で、黄色の世界を炎天下に感じるのも悪くない。日本でのさくらの花の下とは又違った世界観である。
 
この時期が果物の種類が年間を通じて一番多い。葡萄(葡萄色と緑の)2種類、スイカ、メロン4種類(黄色の表面果肉白、風船様の外面果肉緑白と橙色の2種、無数の割れ傷で果肉橙色、マンゴー5種理(10種類以上と言い張るインド人もいる)、りんご、ミカン、スイートライム、さくらんぼ、リーチ(レイシ、ライチー)、バナナ数種、パパイヤ、なつめ、アーモンド、イチゴ、桃、なし、グアバ、チク(柿のような味)、キュウーイ、椰子の実、ざくろ、プラム、ライム、パイナップル、スターフルーツ等々の果物が店頭に溢れかえる。

その中での圧巻は、何と言ってもマンゴであろう。その中で、グジャラート、マハラシュトラ両州から出荷されるアルホンソ種のマンゴーはこの時期の王様である。この品種は中近東及びヨーロッパに12個詰の箱で盛んに輸出されている。今、市中で購うと1箱250ルピー(625円)から350ルピー(875円)でこの世の至福を味わえる。7月にマンモハンシン首相が訪日する噂があるが、そのときには、日本はインドマンゴーの輸入の解禁に踏み切るといわれているが、アルホンソは一寸時期を逸するのではないかと館長は危惧している。
今年の5月は風が強い。14日の夜半には強烈な雷鳴を伴うサンダーストームもあり、グルガオンではかなりの落雷を観測した。7階のフラットのベランダからの眺めは勇壮であり腹が共鳴するほどの雷鳴であった。翌朝は晴れて、埃の落ちた樹木の緑が爽やかに感じられたのは気温だけのせいではない。実際に緑が鮮やかに洗われていた。気温もやや下がり、一日儲けた感じである。

バワル(デリーからジャイプールに向かい94キロ南の工業団地)での風は、砂交じりの熱風となり、ゆうに45度を超え、頬に針のように 突き刺さる。この炎天下の外の現場仕事はやれといっても無理な感じがしてくる。それでも頭を使って働いている。

ジャイプール街道での交通事故が多い月でもある。4月に比べると重大事故の数が急激に増えているようだ。暑さのせいと思われる。

インドのサラーリーマンはこの時期に休暇を取り避暑地に行く人も多い。役人もその伝に漏れず、担当者不在の理由で許認可が遅れる月でもある。

そんな5月ももう半ば、後1月すれば、周辺に雨が降り始め気温も下がり始めよう。それまで、ひたすら健康に注意して耐える生活に、果物の彩を添えるなりして耐え抜くしかない。

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