違法建築

2006/5/9

グルガオンからニューデリーへ行くMDロード沿いにテロのあとを思わせる破壊のあとを見せている建物が沢山ある。違法建築の取り壊しでる。

インドの裁判所は違法建築に対する妥協を許さぬ決定を下し、それに基づいて当局は違法建築の取り壊しにかかっている。違法建築は数知れず、全部は取り壊しきれないのではと噂されている。例外規定の適用を法文化すべしとの議論もあるが、今は取り壊しが整然と行われている。

違法建築の種類は、概ね3種に分類されるようである。先ず、地目の違反である。インドの土地については、工業用地、商業用地、農業用地、インスティチューショナル用地、住宅用地などに分類されているようである。この区分に違反する事が一番の問題である。

日本人がよく騙されるのは、農業用地を掴まされ、あとで工場を建てられないことが解り途方にくれるケースである。これは旨く転用の許可が取れればよいが、許可を取るには、際限のない時間との戦いが待っている。2〜3年の問題ではなさそうである。5年、10年でも館長は自信が持てない。旨く転用許可を取り付けたケースも仄聞するが。

インスティチューショナル用地は、学校、病院、お寺、研究所等に使われる土地であるが、ここを事務所に使うときには注意が必要となる。一般の会社の事務所としては使用は避けたほうが良い。

又、一般の住宅を事務所として使用するのも細かく言えば望ましくないが、この辺りまでは当局は今のところ踏み込んできていないようである。ただし、一般住宅を商業用の目的で使うことに対しては、厳しい目でにらみ始めたようである。

このように地目の違反は怖いので基本を間違えないようにしたい。

次が、建蔽率の違反である。一般的に、建築許可をもらい建物を建てて、最後にオキュペイション・サーティフィケイトを貰い、建物は使用が可能となるが、最後のオキュペイション・サーティフィケイトを貰う際に、最初の許可書と異なる点を検査により指摘され、応分の罰金を払うのが通常である。正式に領収書の出る罰金であるから、しかも可愛い金額の罰金ゆえ、胸を張ってよい。やれ窓の大きさが違うとか、戸の位置がずれたとかの罰金である。

この検査のあとに、つけたし工事で、建蔽率違反をするケース、最後の検査の際に領収書の出ないお金で検査官を丸め込んで建蔽率違反のままオキュペイション・サーティフィケイトを発行してもらい、今になって密告あるいは検査により摘発されるケース、最後の検査で根本的な違反が見つかりどうにもならなくなったケース、などがある。

次が、セットバック違反である。インドでは道路から建物までのある程度の距離を取ることを決められていて、これをセットバックと言う。道路により30メートル、15メートル、5メートル、2メートルなどと決められている。これの違反摘発が道路の整備を優先しているので、厳密に適用され始めている。10年以上経った建物でも容赦はしないようである。

これら何れかの理由で建物は取り壊されている。取壊しの前を通る時いつも、館長は「インドは法治国家であることよ」と思うのである。

ただし、年経た宗教的な建造物に対しては、当局は、違反をたてに取り壊しを安易にやらないように釘を刺されている。従い、道の真ん中に祠がでんと構えて揺ぎ無い風景も存在する。インドは非宗教国家であるが、宗教を尊重する文化国家であると、館長は感心する。
 
 
 

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