デリーの地下鉄

2002/1/14

 インド国鉄のコンサルタントであるRITESが作成したマスタープランによると、デリーは将来、地下鉄、高架、地上、半地下等を会わせ198.5キロの高速運輸システムを計画している。そのうち地下鉄部分は現在のところ約27kmとなっている。

 現在デリーでは市内の北部地域のあちこちでMETROのペイントマークをつけた囲いが見うけられるが、それは上記の約200キロの一部をなす地下鉄工事のものである。

 日本政府はデリーの地下鉄計画に円借款を提供した。その円借款でカバーされる地下鉄は、デリーの昔の中心地であるコンノートからデリー大学の近くまで、南北10駅11kmである。途中で高架の部分と直交するが、その直交高架路線24km14駅は今年の11月に完成予定で、土木工事を除いた部分にも円借款の適用がされる。

 円借款適用部分についての、ジェネラルコンサルタントは、(株)パシフィックコンサルタントで、その下に5つのコンサルタントが就く形となっている。その五社は、PCI、PBI,JARTS,TONICHI,RITESである。
始発駅の近くにあるジェネコンの事務所には、インド・日本英国・アメリカ・カナダ・香港などの各国からの専門家が働いており、まさにグローバルなプロジェクトの様相を呈している。パシフィックコンサルタントによれば、インド国鉄から派遣されているインド人は非常に優秀で、各国の専門家に伍して仕事に邁進している。

 地下部分11kmと高架の24kmを併せた35kmが、いわば一期の計画で、軌道は1676mmである。これは将来のインド国鉄との相互乗り入れを念頭におき同じものにしたといわれている。地下鉄の電源は架線方式で、直流1500vで2つのキャクティブ発電所が計画されている。

 地下鉄部分の11kmの完成は2006年3月とされている。更に、日本側に対して円借款の申請を打診して、第一期の完成を待たずに第二期の計画を走らせようとしている。

 地下鉄土木の1A部分はオープンカット工法で、熊谷組・スタンカ(スエーデン)・ヒンダスタン(インド)・伊藤忠のJVが、土木の1B部分はトンネル工法でDYWIDAG(ドイツ)・サムソン(韓国)・L&T(インド)・IRCON(インド)・清水建設のJVが、車両は、三菱商事・三菱電機・KOROS(韓国)のJVが、弱電部分はALCATEL−ALSTOM(フランス)・住友商事のJVが契約している。その他のシステム部分等にも日本勢の積極的なワークが期待されたが、残念ながら第三国に発注されるようである。

 車両編成は、始めは4両編成だが、最終的には8両編成となり、最大旅客輸送は六万人/時間/方向(2分間隔)となる様にシステムは設計されている。2020年頃のデリーでは2分間隔の地下鉄が走るようになっているかも知れない。

 現在の路線が最優先された背景は不明だが、一部にはヤムナ川を超える路線を優先すべきとの議論もあった。ニューデリーに生活する日本人にとっては、大部分がニューデリーの南部に住んでいるため、この路線が開通しても利用する機会は先ず無いと見られる。

 ニューデリーは車の増加により渋滞が始まり、その解決のための立体交差が増え街の様相を大きく変えている。地下鉄が出きると更に大きく街が変わる。21世紀の変化の予感が感じられる。

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