花屋が住宅街に
インドを考えるヒント

2006/5/2

 ニューデリーの住宅地を車で走っていると、住宅ブロックの入り口や、マーケットの端に、切花をプラスティックのバケツに山盛りに投げ入れ並べて売っている花屋があるのに気が付く。高級住宅地に住む人々は、花を飾ったり、花を生ける意味を知っているようだ。小津映画ではないが焼け跡の防空壕に毛の生えたようなバラックの柱に、竹を切っただけの花入れに花がいけてあるのを見て、日本は復興するのだと感じたように、ニューデリーのまちまちにある花屋を見るたびに、インドは必ず先進国の仲間入りをすると感じる。しかも、その街角で花を売る少年が器用に花束や、ブーケを作り、花器に花をそれなりに生けたりするセンスにも感心する。インド人は花を生けたり、商品をきれいに並べるセンスを持っている。グラジオラスが多く、バラもあるし秋には菊が全盛となる。花は冬が盛んで良い。

 又、一寸郊外に出ると、植木用の観葉植物や、植木鉢つくりの花を育てているプラントナーシングと称している日本で言う植木園が多くある。デリー市内にも何軒かある。上流階級のインド人で土日は賑わっている。

 講演会で講演が行われると、講師や主賓に、主催者から必ず花束が贈呈される。男の人に花束が贈られるのは一寸奇妙な気もするが、ほほえましくもある。又バラモンの執り行うヒンドュー教の儀式の中で、マリーゴールドの黄色い花がバラの花びらとともに良く使われ護摩壇の火にくべられたりもするもする。女性の伝統的な長い髪を髷に結いその根元に白い香りの高いチュメロールの花を輪にして飾ったりもする。夕方の交差点でそれ用の花を売る光景もインドの風物詩である。インド人は花を愛で、観葉植物を身の回りにおく高級な趣味がある。

 蛇足だが、日本でガールフレンドにバラの花を送れるようになったのは、インド産の格安のバラが日本マーケットに出るようになったからだということをご存知だろうか。一本100円以下でバラの花が小売可能になったときからである。インドはヨーロッパ、中近東などにも切花を輸出している。

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