インドのイメージが変わった

2002/12

マハトマガンジーが目指していた自立、自給自足の理想をかなぐり捨てて、国際相互依存を標榜する国を目指して、インドが1991年に経済自由化に踏み切ってから12年が経った。この12年間で、インドのイメージは、「貧困国」、「蛇使いの国」、神秘の国」から、「IT大国」、「21世紀の投資先」、「21世紀におけるアメリカ中国に次ぐ経済大国」に変った。このインドのイメージを変えた背景を見てみよう。
  • GDPが1991年に比し、3.3倍に増加した。(インドが中国に次いで世界で二番目に急成長している。)中国の成長率に比べ低い比率を指摘する人もいるが、7%以上の成長を破断点なしに軟着陸できた国が歴史上稀であることを考えるとむしろインドの成長率は安心感を与えるもので非難されるべきものではないと考える。
  • 貧困者の比率が37%から26%に減少した。インドのIT化促進によるによる貧富の格差の増大の可能性を指摘する向きもあるが、この数字が示すように、この12年間に底辺の嵩上げが着実に行われている。
  • 識字率が51%から66%に上昇した。着実に効果を上げてきているインド政府の教育に関する努力を評価すべきと考える。しかもその教育は、一神教的な盲目的にコーランを暗誦させるような画一的なものではなく、多様性を容認する人間的な教育の面を有している。
  • 就労人口が3.1億人から4億人に増大した。未だ国の8割以上が農業依存の国で徐々に就労人口が増えるのは正常と言える。
  • 国民一人当たりの収入が倍増した。インドに進出する外資にとっても購買層のキャパが増大することを意味し、インド人の起業も容易になってきている。
  • 輸出が5倍増した。インドの国際規格に関する関心が高まってきており、インドの生産品が国際的にも評価され始めたことを意味している。ISO規格の工場の数の増加は目を見張るものがある。
  • 電話普及率が4倍増した。
  • 大学進学者が1千万人を突破した。(うち技術関係が210万人)。高等教育を自国のスタッフで行える数少ない途上国であり、高等教育に関する国民の関心は非常に高い。アメリカに留学する優秀な人材はアメリカの大学から引っ張りだこと聞く。
  • 中流層が3億人強の厚みにまで増大した。中流の定義について問題はないとはいえないが、インドの中流のコンセンサスは非常に良識ある。インド株式会社の総合判断は常に冷静で、付和雷同せず、パニックを引き起こさない心強さがあるのは、この層のお蔭であろう。
  • 農作物生産量が世界一となった。ここ12年間のモンスーンが神の加護ともいえるほどインドの経済自由化に味方している。穀類の生産量が毎年数千万トンの余剰を生み出しているのは、地球にとってもよいことで、インドが食料を輸入に頼る世界を想像すると身の毛もよだつ。牛乳の生産量の米国に次ぎ世界第二位であり、これらはインド独特のシステムを開発したインドの知恵の勝利でもある。
  • 果実・野菜の生産量地球にとってもが世界第二位となった。インドの野菜・果物の輸出も始まりつつある。パッキング、ロジスティク等の開発が待たれる分野である。

インドのイメージを変えた背景を羅列したが、まだまだ変えなければならない点も多くある。出来ればインドが変わるのを待ってインドに進出するのではなく、進出して変える意志を持った企業の排出を望む。

 

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