今、日印関係に望まれるもの

2006/11/16

日印関係は、外務省を中心とした官の努力により、歴史的に最も充実したものになってきている。グローバルパートナーシップと言うことを森総理に言わせたのも、官であり、それに戦略的関係をと付け加えたのも小泉総理を支えた官であったろう。その結果、対印ODAは世界最大になり、両国政府の関係は非常に良好なものになっている。

しかしその関係は、残念ながら官の関係に留まって、民及び政の関係は今一歩である。

民間のインド進出は、インド側の期待するところまで到達していないし、21世紀はBRICsと言われる割には、中国の100分の1程度の進出規模である。21世紀の三大経済大国になりそうなインドに今進出を考えない日本企業は、将来不作為の罪に問われることになるであろう。

また、インドの政治家と腹を割って対話のできる日本の政治家がいないのはどうしてなのであろうか。日本の政治家の間にインドロビーが出来なければならない時代になっていると思うのだが。政治家の奮起を望みたい。

民のインド進出についはここで多くは議論すまい。民は、一件一件メリットベースで進出を判断してゆくであろうし、近未来のインドをどのように分析するかは、企業の体力にもよって異なるであろう。ただ、指摘をしておきたいのは、メーカーは真剣に対応しているところが出て来ているが、商社、銀行は何もやっていないように見えるのは、私だけの感想なのだろうか。

また、インドが世界的に評価されている、折角のITに関しては相も変わらずコンセプトギャップがあり実質的にインドが日本で評価されていない実態は国際的に恥ずかしさを感じる程のものである。

今後5年から10年でインドに起こる変化は、今までの延長線上の発展だけではなく、相の移転を伴う、異質の変化もありうることを考えるべきであろう。毎年ギリシャ一国の人口の増加と、今までの7〜8割が農業依存の体制から雪崩をうって工業側に転出する若者の数を想定したときの変化をどう読むか、洞察力が必要とされる。

中国の10%を越える伸びが未来永劫に続くはずがなく、何処かで破断点を迎えることは必死であろうが、インドは7%前後の成長で軟着陸を目指してゆくと見られる。

そのインドに、日本が協力できる面が二つあると考える。

その一つは、インドが相移転を伴う変化を起こそうとしていることを、前提に、それに応じたプロジェクトを提案することである。今までの延長線上のプロジェクトも着実に提案して実行してゆくことも重要であることは論を待たないが、画期的なインドで今まで考えられなかったプロジェクトを提案すべきであろう。

その一つが、ロジスティックに関する提案である。インドが世界的な規模のコンテナー船を横付けに出来る港を持つこと、そこから、内陸5都市に二階建てコンテナー貨物輸送を時速200キロで毎時は知らせる計画。大型航空機が離着陸可能な国際空港の建設。
農業関係では、第二のグリーンレボリューションの着手。海洋開発。宇宙開発、原子力開発での積極的な協力。
等など、今までにインドでは考えられなかった規模と異質のアイディアをインドに提案できたら素晴らしいと考える。インドよりは多少進んでいると日本が自負するのであれば、そのくらいの提案は出来るであろう。

その二は、今のインドは日本の60年代前半に酷似していると言う議論がある。そうであれば、日印両国の心ある、学識経験者により、日本のここ45年の分析を行い、光と影を洗い出し、その結果をインドの今後の50年の国づくりに参考にしてもらう計画である。小泉内閣が提案した構造改革や色々な改革案は、45年の歪を是正するものが多かった。インドが同じ轍を踏まないように、共同研究をする価値があると思う。来年のインド年に相応しいプロジェクトであると考える。

以上の二つを踏まえた対話がこの12月に両国首脳により行われたらすばらしいと考える。
 

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