心理的距離感

2006/7/20

アスラニ大使が、日本から帰任した後お会いしたときに言われた言葉を館長は覚えている。

「私が日本にいたときに、日印両国間に、心理的な距離があるという議論に、同感の意を表明していた。それは、日本人がインドのことをよく理解していないという意味からであったが、インドに帰ってきてみて、気づいたことだが、インド人が日本を理解してない点が多々ある。要は、双方に心理的な距離がある。」

日印両国の物理的な距離に加えて、心理的な距離感が、日本経済界のインド進出を阻害しているようである。

小泉首相がインド政府との間に、戦略的な関係を提唱したことは、軽いことではないと理解している。その意味については、米国と日本の同盟関係に、準ずる関係であると考えるべきであろう。それが戦略的な関係と言うことになろうか。

そうであるならば、これまでの日本の経済界が考えていた関係では済まないであろう。米国に準ずる関係に格上げせねばならない筈である。

ココムベースの対印貿易規制は全てなくして、マンゴーの日本輸入が実現したように、両国間の貿易規制を全廃すべきであろう。次に、宇宙開発、原子力開発などの最先端技術での協力関係を両国間で打ち立てるべきであろう。さらに、マラッカ海峡の平和のための協力体制を、出来る事ならシンガポール、マレーシアも含めて作り上げるべきであろう。この様なことにODAを使うことが戦略的なODAといえるのではなかろうか。

この様な関係を確立するためには、心理的な距離感をなくす努力が、可及的速やかに必要であろう。お互いにもっと知り合うべきである。米国にいるインド人は350万とも500万ともいわれ、しかも米国IT産業の中枢で働いていて米国の奥の院をインドはすでに知り尽くしているといわれる。

皮肉なことに、日本はインドのIT技術を米国ほどよく理解しておらず、そのため日本にいるインド人の数は増えたとはいえ、米国ほどではない。従い、日本の技術はインドにもれていないのである。日本の技術がどの程度のものであるのか、準同盟国に知ってもらうことが必要になって来ている。

両国はお互いにもっと知る努力、知らせる努力が必要であろう。そのための人の移動、物の移動がもっと必要である。その意味で、第17回インド国際産業&技術フェア(IETF2007)は時宜を得たものと館長は思うのだが、如何であろう。
アスラニ大使

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